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立春の卵

こんにちは、NSIの二世です。

昨日、2月3日は節分でしたね。
豆をまいたり、恵方巻を食べたりした方も多いのではないでしょうか。

そして翌日の今日、2月4日は立春です。


ここでひとつ、立春に関する噂をご紹介します。

「立春の時には(普段立たないはずの)卵が立つ」

というものです。

ファイル 74-1.jpg

中谷宇吉郎先生の著作『立春の卵』では、この噂に科学的アプローチで挑みます。

「立春の時に卵が立つという話は、近来にない愉快な話であった」
という文で始まるこの作品では、以下のような流れで中谷先生が「卵が立つ」という現象を解明していきます。

しかし、どう考えてみても、立春の時に卵が立つという現象の科学的説明は出来そうもない。
(中略)
今日にでもすぐ試してみることが大切な点である。
(中略)
朝めしの時にあの新聞を読んで、余り不思議だったので「おい、卵があるかい」ときいてみた。幸い一つだけあるという話で、早速それをもって来させて、食卓の上に立ててみた。


詳しい内容は中谷先生の文章を読んでもらうのが一番なので省略するとして、(『立春の卵』は青空文庫で読むことができます。記事末尾にリンクがあるのでぜひ読んでみてください!)

結論だけ書くと、「卵というものは立つものなのである」…のだそうです。


私は昨年末の「科学豆知識アドベントカレンダー2」で、中谷先生の雪の研究について簡単に紹介しました。

雪を作る話 ~北海道大学で中谷宇吉郎を巡る~
http://tehiro.sakura.ne.jp/studyaid/diary.cgi?no=58


この記事を書く過程で、雪の研究で有名な中谷先生の著書には、他にもまだまだ面白いものがたくさんあるということを知り、それを伝えたいと思うようになりました。

そこで12月某日の科学勉強会にて、『明日話したくなる中谷宇吉郎』と題して『立春の卵』の話を紹介したところ、早速その場にいるメンバー全員で卵を立ててみることになったのです。

ファイル 74-2.jpg

いい大人が揃って真剣に卵を立てようとする姿…なかなか面白いです(笑)

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すると開始3分で、いきなり1人目が成功!

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その後も、次々と成功していきました。

ファイル 74-5.jpg

20分ほど挑戦した結果、その場にいたほぼ全員が卵を立てることに成功しました。

全員、卵を立てたのは人生で初めての経験で、大いに盛り上がりました。


こんな風に事実を知ってしまうと、冒頭で紹介した「立春の日だから卵が立つ」という噂はとても滑稽なものに思えます。
卵が立春でなくても立つのであれば、この話題を立春の話題とする必要はありません。

しかしながら、我々は今回この噂をきっかけとして「多くの人ができないと思い込んでいるからできない」という事象がとても身近なところにあるのだということを知ることができました。
単に「卵は立つ」という事実を示されるだけではなく、「立春の日だから卵が立つ」という不思議な仮説があったからこそ、その内容に興味を持ち、そこに秘められた真実に感動することになったのです。
中谷先生も「これくらい巧い例というものは、そうざらにあるものではない。」と書いています。

というわけで、今日はぜひ「立春といえば、こんな話があるの知ってる?」の言葉をきっかけに、周りの人達と一緒に卵を立てて、科学する心を育んでみましょう!


参考文献
中谷宇吉郎「立春の卵」(青空文庫で読めます!)
http://www.aozora.gr.jp/cards/001569/files/53208_49866.html

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